オイルコンデンサー

Arizona Capacitors

Type C50309 Blue Cactus / Type C50313 Green Cactus

オイルコンデンサー Arizona Capacitors

60年代の最良のオイルコン、WEST CAPの正当な復刻版
Arizona Capacitors オイル・コンデンサー

Arizona Capacitors社は、往年の真空管アンプ自作ファンの間ではその音質の素晴らしさで知る人ぞ知る存在であったWest Capのオイル・コンデンサーの製造部門でした。その後もWest Capの技術、設備をすべて継承し、現在も米国航空宇宙産業や軍需産業等で使用される信頼性の高いオイル・コンデンサーを製造しています。Arizona Capacitorsのオイル・コンデンサーを真空管アンプのカップリングに使用すれば、豊かで艶やかな音色が付加され、情報量やスピード感も向上し、新たな真空管アンプの魅力を楽しんでいただけます。また電源のケミコンにこのオイル・コンデンサーを並列接続することで、全帯域の立ち上がりのスピードが増し、何よりも大切な音楽の再生能力が格段に改善されるものと思います。

Arizona Capacitors, Inc. “First Name in Capacitors”

一部の高度な自作真空管アンプファンにとって1960年代のハーメチックシール(完全密閉)のオイルコン、West Capはヴィンテージ物でありながら抜けの良いキレのある音質で、いまだに垂涎の的となっています。Arizona Capacitors, Inc.の前身は、1962年にアリゾナで操業を開始した、カリフォルニアのサンフェルナンド電機会社のコンデンサー製造部門であるWest Cap事業部門そのものです。現在のツーソンに居を構えたのは1990年のこと、West Capの生産設備等資産をそのまま継承し、現在に至るまで優れた品質のカスタムのコンデンサーや業務用フィルターを航空宇宙産業、軍需産業、医療、エネルギー産業、運輸業等の業務用分野に供給し続けています。またISO 9001:2008に準拠したツーソンの生産拠点で、MIL-STD-790に基づく高信頼性を誇る製品づくりを行っている、まさにMADE IN USAの一翼を担っている伝統ある企業です。2011年、Arizona Capacitors, Inc.が日本における正規販売代理店としてスペック株式会社を選択したのは、同社がこれまで以上にオーディオ分野にもコミットしていきたいとの意思の表れと言えます。

(写真提供:Arizona Capacitors)

ラインナップ

Type C50309 Blue Cactus

ヴィンテージ物を彷彿させる陰影感あふれる音色

Type C50309 Blue Cactusは、West Capのオイル・コンデンサーの中でも極めてバランスの取れたサウンドで評価の高かった1967年製、0.47μF/600VDC、CPV09を復刻したものです。誘電体を往時と同様のクラフトペーパーとマイラーフィルム(ポリエステル)の2層構造とし、コクのある深みのある音色、中低域の厚み、West Capの特長でもある抜けの良さも実現、新たな無害の充填オイルによって現代的な広帯域感も十分にお楽しみいただけます。

Type C50313 Green Cactus

人肌に馴染むような自然で美しい音色、圧倒的な情報量

Type C50313 Green Cactusはクラフトペーパーの持つ音質的な魅力をフルに引き出したコンデンサーです。クラフトペーパー、マイラーフィルム、クラフトペーパーの3層構造として、クラフトペーパーの比率を高めることで、これまでのオイル・コンデンサーの枠を超えるような美しくスムーズな中高域に加えて、雰囲気に溢れかつ輪郭の明確な低域も実現しました。また最新のハイレゾ音源などの高品質な音楽ソースにも対応できるよう、全帯域にわたる情報量とスピード感も感じていただけます。

特長

誘電体

オイルコン独特の自然で人の聴覚に優しい音質は、主にこれらのオイルコンに採用されている誘電体、クラフトペーパーによるものと言えます。北米には豊かな巨木の針葉樹林帯があり、この針葉樹を原材料にクラフトプロセスを経て無着色で上質なクラフトペーパーの素材、良質なパルプが製造されています。ポリプロピレンやポリエステルフィルムという人工的な素材と比較すると強度は劣るものの、樹脂フィルム特有の機械的な共振モードがありません。Arizona Capacitorsが採用したこの自然素材とも言えるクラフトペーパーには音質的なクセが基本的に存在せず、これを誘電体としたとき、艶やかな音色そして自然で聴感に馴染む音質のコンデンサーに結実するのです。

電極

電極にはアルミニウムを採用しています。強度もほどほど、かつ内部損失が比較的大きいというこの素材の特性が、柔らかく心地よい響きとなります。

ケース

スズメッキの真鍮製の円筒管の両端をガラス封止し密閉した、ハーメチック・シール(完全気密)構造を採用しており、アメリカ軍向けの規格をクリアするなど、最高度の信頼性の評価を得ています。

オイル

電極や誘電体箔の微細な“振動”は封印されているオイルによって適度にダンプされ、オイルコン独特の滑らかな音質を演出します。このオイルにはWest Cap時代からのArizona Capacitorsの音質面での“経験知”が生かされており、また同時にPCB等の環境負荷物質を含まない環境にやさしく安全な独自のオイルが採用されています。

リード線

OFC(無酸素銅)、表面は錫60%鉛40%のハンダコートが施されており、ハンダ付けの信頼性にも配慮しています。

アウトサイド・フォイル

サボテンマーク側のリードが外側の電極(アウトサイド・フォイル)に接続されています。
グランド側にこのサボテンマーク側を接続することで、シールド効果が得られます。

共通仕様

容量 ±10%
耐圧 600VDC
誘電正接 1.0%以下(120Hz, Genrad 1658)
動作温度範囲 -55°~85℃

商品別仕様

Type C50309 Blue Cactus

管理番号 容量(μF) 耐圧(V) 直径(mm) 長さ(mm)
AZ103 0.01 600 10.2 23.8
AZ223 0.02 600 10.2 30.2
AZ473 0.05 600 14.3 30.2
AZ104 0.10 600 14.3 44.5
AZ224 0.22 600 17.0 47.6
AZ334 0.33 600 19.1 57.2
AZ474 0.47 600 19.1 60.3

Type C50313 Green Cactus

管理番号 容量(μF) 耐圧(V) 直径(mm) 長さ(mm)
AG104 0.10 600 14.3 35.0
AG224 0.22 600 17.2 51.5
AG474 0.47 600 26.0 58.0

真空管アンプの音質改善に最適

ヴィンテージものの良質なコンデンサーが入手困難な昨今、真空管アンプのメンテナンス用としてArizona Capacitorsのオイル・コンデンサーは最適です。
写真の例ではプリアンプの主要部品として、 Type“C50309”を片チャンネル8個×2 、合計16個を使用しています。

(写真提供:音楽舎)

SPEC商品への展開

Arizona Capacitorsのオイル・コンデンサーは、SPECのリアルサウンド・アンプやリアルサウンド・プロセッサーに搭載され、SPEC商品の音を決定づける主要パーツとなっています。

開発者メッセージ

「オーディオ機器とオイル・コンデンサー」
スペック株式会社 取締役技術担当 矢崎 皓一